介護看護師は、その名の通り、介護施設で働くナースのことです。看護師経験があれば、とくに資格はいりませんが、日中勤務のみの施設が多いため、夜勤に不満を感じていた看護師にとっては嬉しい職場環境ではないでしょうか。どんな職業なのか、仕事内容や体験談をリサーチしました。
介護看護師は、介護施設へ就職して入居している高齢者の健康管理を行います。入居者の平均在所日数は1年弱なので、長期にわたってじっくりと健康をサポートできるのが魅力。夜勤や残業が少ない職場が多いため、体力的にも無理なく、看護の仕事が続けられます。
病院と比べて、医療処置を行う機会は少なくなりますが、認知症介護やターミナルケアといった新たなスキルを習得できます。今後はますます高齢者が増えていく日本。現在、介護看護師は、看護師全体の10%ほどですが※、より需要が高まっていくことが予想されます。
※参照元:厚生労働省「看護職員の現状と推移」(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000072895.pdf)
介護施設の業務は、経管栄養やバイタル測定、服薬管理などの健康管理がメイン。労働時間が少ないこともあり、40~50代の介護看護師が多いです。結婚や子育てでブランクがあっても復帰しやいのはメリットの一つ。
介護看護師の就職先には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、有料老人ホームの4種類があります。この中で看護師の数が少なく介護レベルが高い職場は、介護老人福祉士施設と介護療養型医療施設になります。
介護老人保健施設と有料老人ホームは、要介護度が低く医療行為は少なくなります。施設によっては夜勤があるので、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
高齢者ばかりなのでオンコールの回数が多かったり、認知症の方だとコミュニケーションに苦労することがあります。施設には看護師と別に介護スタッフがいますが、境界線が曖昧になってしまったり、気を遣って介護を手伝い過ぎて疲れてしまうナースなども。
また、入居者のおくりびととなる覚悟は常にしておかなければなりません。病院で生死に携わるのが辛かった看護師が介護看護師を目指すのであれば、覚悟が必要です。
介護看護師は元気を応援する仕事
病棟勤務で疲れてしまい、そこで在宅看護と訪問入浴の仕事を始めました。病棟勤務であわただしく動くより、緩やかに老いていくご利用者様の元気を応援する仕事がしたいと思ったからです。ここで、残された人生を在宅で過ごしたい方のお手伝いをすることが楽しいとその時気づきました。
ゆっくりと入居者と関わることができます
病院は常に業務に追われ,ゆっくりと患者様と向き合う時間が中々とれない日もありましたが,有料老人ホームに転職後は,入居者様の生活の場に入らせて頂き,仕事をしているため,ゆっくりと入居者様と関わる時間がとれているのではないかと思います。
看護師の経験を活かしながら
新しいことも学べる
利用者さんの毎日の状態を見て、服薬状況を確認したり、必要があればドクターに上申したり。採血のデータを確認しつつ、家族にアドバイスをしたり。今までの経験を生かしつつ、新しく学ぶことができていることに喜びも感じています。
※体験談の参照元:ナースキャスト(https://nursecast.biz/kaigoshisetsu)
介護看護師は、自分のペースで人の健康に貢献したい方にお勧めです。人の生死と向き合うのが辛い…という方は、他にも看護師資格や経験を活かせる仕事があるので、まずは適職診断で自分に合った進路を探してみませんか。